PDT（光線力学）とは？

ＰＤＴとは　Ｐｈｏｔｏ　Ｄｙｎａｍｉｃ　Ｔｈｅｒaｐｙ　の頭文字をとった略語で光線力学的治療の名称です。ガンの治療において、光に反応する薬剤（光感受性物質）を投与し、その薬剤が、ガン細胞と正常細胞からの排出に時間差があることからガン細胞に集積させ、その集積した時間と場所にその分子を励起させる波長の光を照射することによりガン細胞を殺傷するというものです。その薬剤にはポルフィリン関連化合物であるフォトフィリン、レザフィリンなどが薬事承認されております。それらの薬剤は値段が高く、その上正常細胞から薬剤が排出する間、光過敏を避けるため患者を数日間暗闇の中で過ごさなくてはならないという欠点もあります。そのためより安価で、より組織進達性のある波長に反応し、正常組織からの排出が早く、光過敏が少なく、殺細胞効果の高い薬剤の研究が続けられております。クロロフィル誘導体であるフェホオバイド(Na-Pheophorbide-a,水溶性)もその一つで、ガン細胞の殺細胞効果が高いことが報告されています。そそれらのメカニズムは薬剤に光を照射することによりその分子が励起され、その励起エネルギーはガン細胞の周辺酸素に移行し一重項酸素を発生させます。その一重項酸素によりガン細胞を酸化死滅させます。一方酸素を介せず電子的に癌細胞のDNAを光切断するメカニズムも知られており、クロロフィル誘導体のフェホオバイド（Na-Pheophorbide-a）のメカニズムは後者の方といわれています。、フェホオバイドによるガン細胞のＤＮＡ光切断はその吸収波長が可視光領域に二つの大きな吸収波長を持つことから、６３５～６７０ｎｍのレーザ光やハロゲンランプの光が十分利用できます。弊社は有）クロロフィル研究所との共同研究により動物のがん治療のため研究を続けております。